ミッション

異文化コミュニケーション研究会は、一個の独立した機関である。と同時に、世界の各地域に散在するそれぞれ独立したSIETAR(異文化コミュニケーション教育・訓練・研究会の略称)組織のNGO連盟であるSIETARグローバルネットワークに所属している。

この相互関係は、部分は全体の中にあり、全体は部分にあるといういうなればホログラフを思わせる。またSIETARは、未来の地球社会の姿をイメージさせる。それは、いくつもの異なる社会から成り立ちながら、それぞれの社会は、異文化共生の視点に立ったグローバルなエトスを反映している姿である。SIETARは、互いに影響しあい、成果を分かち合うネットワーク社会に外ならない。

したがって当研究会は、地域使命とグローバル使命を持っている。まず地域的特性を持った自治組織として、二つの課題からならる地域使命を掲げている。その一つは、日本における異文化コミュニケーションの教育・訓練・研究を推進かつ支援すること。これは、SIETARグローバル・ネットワークの趣旨でもある。具体的には、講演者を招請し、また会員相互が学びあう月例会の開催をはじめ、インタレスト部会の活動、シンポジウム、リトリート、親睦会、その他の行事を実施している。いま一つの課題は、日本の国際化に伴い、日本社会内部における異文化共生的視点の樹立に貢献することである。

つぎに当研究会は、グローバルな使命としても二つの課題をもっている。その一つは、SIETARグローバルネットワークに対して日本の視点を的確に伝えることにより、世界に対するその行動指針となる異文化シナジーの理念のダイナミックな展開に貢献することである。これは、部分が全体の中にあるための使命だと言える。この使命を果たすためには、当研究会は日本で生まれる思想やビジョンを常に総合し、それを国際社会で使用する形のメッセージとして発信し続けなければならない。

もう一つの課題は、日本の諸外国との間にわだかまる歴史的な因果関係を総括し整然とさせることである。つまり欧米に対する自己保身と受け身の態度から脱却し、他方、歴史にみるようなアジア諸国に対する日本の脅威を払拭するための決意である。この使命の達成こそが、日本の真の国際化において避けて通れない道筋であり、世界平和に向けて世界の諸国と対等なパートナーとして協調していく上の必須用件であろう。

SIETAR JAPAN NEWSLETTER 1996年夏号掲載より

(翻訳:今井純子)

注)SIETAR JAPAN 「異文化コミュニケーション学会」は、当時は 「研究会」でした。

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