Retreat報告(2015年11月14日・15日開催)

異文化コミュニケーション学会のリトリート、今年は軽井沢で開催致しました。
今回は4人の講師をお招きして、行われました。

Perception1:講演「知覚のプロセス」
講師:荒木晶子先生(桜美林大学)
SIETARの元会長である荒木先生のワークショップは非常に人気で、会員の方の要望にお応えして、実現しました。
内容はコミュニケーションの本質に迫るものでした。

・伝えることではなく、イメージを作り上げ、意味づけをすることであると
・人間は同じ体験は絶対できない。それはキャッチする情報が異なるためである。

等など、これらの主張を実際に絵や映像を用いて、参加者が見えるもの、見えていないのを参加者体験していただくことにより、理解を深めていきました。
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Perception2:ワークショップ

講師:日下啓先生(エグゼクティブコーチ・ビジネスコンサルタント)
内容:新しい事物に出会ったとき、先入観・ステレオタイプ化・シンボル化しがちなことを体験するワークショップ形式

具体的には、「絵」をさかさまにした上で、そして4つに切り取って模写をし、その後、元の絵を見たまま「模写」をし、2つの体験を比較。
意味のない4分割の絵は、「右脳優位」で「模写」できたものの、意味のある「絵」は、なかなか「模写」できないことを体験することができた。
そのほかにも何も考えずに、左手の手の皺を描き切るなどもありました。
日頃起きた事例を解釈する前に、事実を受け止める重要性を示唆してくれました。
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講師:内田龍史准教授(尚絅学院大学)
内容:部落差別への理解を深める:マイノリティ問題としての部落問題

部落問題の歴史と、最近の統計データを用いて、現状の課題を指摘されました。
部落差別は、職業による差別の問題から派生し、その職業人が住む地域住民に対する差別、そしてそれに関係する家族や人々等の差別問題などの説明がなされた。

問題点を解決するための提言=治療するためには、政府による事実確認の定量データ収集というものも含まれていました。最近は腫物を扱うような取り扱いで、部落に関する重要なデータ(地域、人数、意識等)を収集してないという指摘である。
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講師:上川多実氏(Buraku Heritage情報発信サイト創設者メンバー)

「結婚」「部落地域で住居を購入」「就職」などの日頃直面する課題を通じて、ワークショップ形式で理解を深めるような内容でした。
それぞれの意見に対して、理由説明が必要であるが、その際にその人の考えが(差別意識含めて)無意識に出てくるような仕掛けを用いることにより理解を深めていった。集まったメンバーが異文化コミュニケーションのプロであるため、発言そのものに重みがあったとの上川先生の説明があった。
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